“食”は喜びの心をもって-書・刻・雑言<36>

2015年4月6日

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食事などを告げる合図。禅家では雲版、鐘板を打つ。木製のものは裏面が刳り貫かれ(掲載拓本の中央部分)ポクポクと高く鳴る。僧衆の食事を司るのが典座。食品の入手、管理、調理を行う。その心得を道元禅師が記す。「典座教訓」。禅師の言葉は難解だがこの用心集はやや平易だ。

「喜心。喜悦の心をもって、誠心にして作せ!」

私たちに、食に係る総ての人に。この教訓は据えられているだろうか…。

◇喜心=よろこびの心 道元「典座教訓」より
◇書=刻字 拓本(採拓) 欅の鐘板に鑿を用いて
◇印=「誠心而作」同出典

フジサンケイビジネスアイ2008年08月19日