書の山稜、力水に感謝-書・刻・雑言<41>

2015年4月16日

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山を縦走する。その至福は来た道を振ふり返り、行く道を見通す稜線上にある。清流が素足を洗うように、白雲が足元を流れて過ぎる細い岩稜。踏みしめてきた群峰を自身とし、遥かに続く山塊を望む。平坦ではない。深く暗い谷が待つ。道に迷う。登り返す気力を失う。

しかしそこに谷川の水がある。「力水」。読者諸賢の「感動した」などとの高評価、御激励に心より感謝、御礼申し上げます。

大謝合掌=おわり

◇「山重なり 水複なりて(路、無きかと疑う)」南宋、陸游「山西の村に遊ぶ」より
◇書=力強く
◇印=「路、無きかと疑い、又一村(邨)」

フジサンケイビジネスアイ2008年09月30日