涼風の中 高みへ登る-書・刻・雑言<39>

2015年4月12日

39_sankei_20080909

旧暦九月九日は重陽、菊の節句。高みへ上り、飲食歓談して邪気を祓う風習がある。「積雨」ともいうべき長雨と猛暑を過ぎて、初秋、新涼の山気が人を健康にする。

マイナスイオン、フィトンチッドはピンとこない。新涼に登高する山の清冽を思うだけでもよい。古里の一木一草を思うことにしよう。

「天涼しく、人健なり」と白居易、「燈火、稍く親しむべし」と韓愈が励ます。「どーれ、もうちょいやってみっかあ」

◇「新涼に登高す」
◇書=明るく健康に
◇印=「積雨、霽れる」唐、感愈『符、書を城南に読む』より

フジサンケイビジネスアイ2008年09月09日