信頼しよう 夢の卵-書・刻・雑言<38>

2015年4月10日

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禅語「啐啄同時」を教育の要諦とする著録は多い。卵の中で雛がそつと殻を突く。子、生徒の成長発達だ。応じて母鳥がたくと外から打ち返す。親、先生の助言援助だ。その時、タイミング「同時」が大切だ。期待のあまり、尚早に殻を破ってはならない。一人格、可能性、夢の卵なのだ。夢を破れば異形となってナイフを手に職員室に向かう。

見守り、育み、飛躍の好機を待つのだ。信頼しよう。誰もが持つ夢の卵を。

◇「啐啄同時」=『碧巌集』より。好機を得て、両者、相応ずること
◇書=「そつ たく」二音が響き合うように
◇印=「啐啄同時」同出典

フジサンケイビジネスアイ2008年09月02日