若き人へ、竹林に想う。-書・刻・雑言<28>

2015年3月21日

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近くの神社に竹林がある。今、若竹の緑が美しい。つい先日の竹の子は、日一日と伸びて今や背丈は先輩たちと変わらない。褐色の表皮を脱ぎ、淡緑の枝葉を現し、一節ごとに二本の眉をキリリと宙に描く。地平から直上し噴出する水の柱だ。

若竹の如く、悩みを振り掃い、自己の決断を信じて、日日新たに伸びてゆこう。賞賛はいらない。空へ、惟、一心に向かうのみだ。静かに、根を張ることを忘れるな。行け、GO!

◇「空へ 若竹のなやみなし」(種田山頭火の句)
◇書=直上する線を竹に見立てて
◇印=「唯一心に」

フジサンケイビジネスアイ2008年06月17日