激しくも温かい眼差し-書・刻・雑言<27>

2015年3月19日

27_sankei_20080610

毒を含む、棘のあるお説教を吐くので、怖がられ疎まれがちな人がいる。その実、この人、とても繊細な、ロマンチストなのだ。仕事に厳格、人に誠実だ。その鋭敏、清冽な心を強面と毒舌で鎧う。事を興し、人を率い、研究、創造する人にその性向がある。”少年老い易し”と叱正した大儒、朱熹もその一人。

鎧を脱いで、顔を和ませ、優しく語る方がよい。和顔愛語。厳しくも温かい眼差し。「円くなったねえ」

◇和顔愛語=顔は穏やか、言葉は優しいこと。無量寿経、他より
◇書=隷書 穏やかに 朗らかに
◇印=「和顔愛語」繊細に

フジサンケイビジネスアイ2008年06月10日