情緒がこもった”お説教”-書・刻・雑言<26>

2015年3月17日

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「少年老い易く、学成し難し。一寸の光陰、軽んずべからず」。耳の痛いお説教だ。前回、豪気を発しホロ酔いで山を下っていた大儒、朱熹の七言絶句。その起、承句である。転、結句は華麗に一転する「ほら、池の辺に春草が萌えている。その淡く、青い夢が醒めやらぬうちに早くも秋、庭先の梧桐が葉を落としている事に驚くのだよ」(意訳)。青春と老境を春草と落葉に喩え、前半の警句に比べ、情緒に満ちて美しい。

◇春草のゆめ
◇書=やわらかく
◇印=「春草 梧葉」(ネガとポジ) 朱熹「偶成」より

フジサンケイビジネスアイ2008年06月03日