働く壮年、山中の“豪気”-書・刻・雑言<25>

2015年3月15日

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「ゴーキなもんだ」と言う時にこの「豪気」を使う。その剛健な生気を発し、何かを叫びつつ、山を駆け下る男がいる。しかもホロ酔いだ。「濁酒三杯、豪気を発し、朗吟、飛び下る祝融峯」!その威勢やよし。「中華五嶽」の一、南岳衡山はなだらかな山。そのピークが祝融峯だ。昔、友と2人、遊んだ山だ。

さて、痛快なのはこの詩の作者があの大儒学者、朱子学の祖、朱熹である事だ。”さあ仕事だ”麓へ、人の中へと帰ってゆく壮年の姿。

◇豪気=壮快な意気、またすばらしいさま。豪儀とも
◇書=力強く、豪壮に
◇印=「濁酒三杯、豪気を発す」南宋、朱熹「酔いて祝融峯を下る」より

フジサンケイビジネスアイ2008年05月27日