切磋琢磨する人の幸福-書・刻・雑言<17>

2015年2月27日

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「切磋琢磨」は原典「詩経」の中では領主の武公を賞賛する語だった。「輝く領主様、その御姿は彫琢研磨されて光る玉器のよう」と。「論語」「大学」への引用、大儒朱熹らの注釈により儒教的な教訓に変貌、定着する。ともあれ好きな語句だ。歯切れの良い音の響きに刃物を連想する。小刀、鋸、鑿、鉋。若い頃の汗と仲間を思う。今日もなお、利害得失をも含めて相対し、切磋琢磨できる人は幸福といえるだろう。

◇切磋琢磨=出典「詩経」淇奥篇 玉、石などを切り磨くように学問、道徳の修養に勉めること
◇書=楷書 鋭利に
◇印=切ま ネガとポジ

フジサンケイビジネスアイ2008年04月01日