悠久の時が育む大きな夢-書・刻・雑言<11>
2015年2月17日
『老子』が読まれている。
欧米文学者で詩人の加島祥造氏による平易な口語訳であり、新鮮な啓発は現代社会への警鐘、また癒しとしてブームともなっている。
中国の古典・老子には英訳のほか、諸外国語の翻訳本も多い。道教のテキストというより「美しい詩」としてとらえているという。
「大器晩成」
できの悪い子に対する慰めの言葉ではない。悠久の時間を経て現前する大自然への敬意。そして一人一人の持つ可能性と、夢への信頼が込められている。
”小器即製”は悲劇を生む。ゆっくりと進むその先に、きっと充足がある。
ザ・グレーテスト タレント マターズ スローリー<The greatest talent matures slowly>
◇大器晩成=『老子』第41章より。大きな器は早くはできない。人も大才は速やかには成就しないの意。
◇書=隷書で重厚にのびやかに。
◇印=漢篆(篆書の一種)で穏やかに。陽刻朱文。
フジサンケイビジネスアイ2008年01月22日