「誓い」の安売り「言」失う-書・刻・雑言<4>
2015年2月5日
「言」は約束であり「誓い」であったという。
文字学の泰斗、故白川静先生によれば、言は辛と口。辛は入れ墨に用いる針の形、口は誓いの言葉を収める器とし、もしその言が守られないときは。入れ墨の刑を受けるという。
「公約は守らなくてもいい」「記憶にばう」…官民ともウソが当たり前の時代。文字の成り立ちを考えると、あまりの変容に「言」を失う。
◇言=口に出してものを言うこと。言葉。言を食む、言をかまえる、はいずれも偽りの意味。
◇書と印=書は率直で素直な線を意識した。印は甲骨文字(亀甲や獣骨に刻された中国最古の文字)を参考にした。
フジサンケイビジネスアイ2007年11月27日