拙くても速やかが一番-書・刻・雑言<2>

2015年2月5日

02_sankei_20071113

「拙速にすぎた」「その判断は拙速と言わざるを得ない」

最近の新聞などでは、無責任な見切り発車の語感とともに、あまりよい意味では使われませんが、私は好きな言葉の一つです。

「ありがとう」「ごめんなさい」。礼状もお詫びも、拙くても速やかが一番。「巧遅は拙速に如かず」という言葉もあります。

開拓者と呼ばれる人の多くは「拙速」ではなかったか。誹りと批判は傍観者の常。信念と勇気を「拙速」に思い、躊躇と慢心を「巧遅」に感ずるのですが。

◇拙速=拙くてもはやいこと。対語に「巧遅」
◇出典=「孫子」(作戦編)、「晋書」
◇書と印=書は強く硬質な線を意識して速く書きました。印は朱白相間(ネガとポジ取り混ぜ)、回文(篆刻では右上から時計と逆回りに字を配すること)としました

フジサンケイビジネスアイ2007年11月13日