今も昔も「看板」に偽りあり-書・刻・雑言<1>

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牛肉を揚げて豚肉、比内鶏や名古屋コーチンの中身はブロイラー、国産表示のウナギもアサリも、ワカメやタクアンまで中国産…。命を預かる食品業界に蔓延している「偽装」という文字。いまや「責任」「信頼」という文字は絶滅危惧種か。

内容が伴わない書道家も羊頭狗肉の誹りを受けかねないのは自明の理。ひょんなことから、この欄を連載させていただくことになったが、内容の「偽装」がないよう、厳格に取り組んでいく所存。拙書・拙文、御過眼ください。

◇羊頭狗肉=羊の頭を看板に掲げて犬の肉を売る。見かけが立派でも実質が伴わないこと
◇出典=「無門關」「恒言録」など
◇書=中国西周時代に青銅器に記された象形的な文字「金文」に、印は漢時代の篆書の一つ「印篆」に倣った

フジサンケイビジネスアイ 2007年11月6日

新連載「書・刻・雑言」

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気鋭の書道家、篆刻家の鈴木啓義氏が世相を縦横無尽に書きしるす。

第1回は食品偽装を風刺した「羊頭狗肉」を独自のタッチで。


フジサンケイビジネスアイ2007年11月6日

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